早期退職した直接的理由
31年間の会社生活を振り返ってみると、若い頃は毎日タクシーで帰る時期もあれば、管理職任用され全く初めての部署で部下を取り仕切った時期もあり、良くやってきたなあと思います。逆に50代になって、以前のような気力やモチベーションが保てないというのが早期退職の直接的な理由です。ここ数年で、新たな事業企画や業務改革もやってきましたが、新しいことを始めるのが少し面倒になってきたのは否めません。
早期退職に至った経緯として、間接的な理由も2つあります。
間接的理由1(仕事が早い東大卒新入社員の末路)
1つ目は、直接的な理由の背景になりますが、自分自身の能力や適性に限界を感じたという点です。特に、周りの人を巻き込んでチームビルディングする能力が足りない点や、組織の中で戦略的・政治的に動くような事が不得意な点について、40代後半から感じるようになりました。
少し遡りますが、私は幼稚園前まで近所に子供がおらず周りは大人で、こちらから何か要求せずとも世話をしてもらえるような環境で、他の子供との交流がありませんでした。また小学校以降、運動は陸上部程度でチームスポーツは全くせず、チームワークの経験がなかったことも私の性格形成の一因かと思っています。また、授業中誰も分からない問題の答えが分かっても黙っているような子でした。他の子供が間違った答えを言った際にも、都度指摘するとキリがないので、心の中に留めておくような習慣になりました。大学受験の問題は頭の中でパターン化して効率的に解けてしまうので、解き方を他の人にも説明できるように手順を見える化したり、友達を巻き込んで解けない問題を一緒に解くような経験はありませんでした。
東大卒業して大企業に入り新入社員の頃は、良く褒められ得意になって担当業務を誰よりも早くこなしてました。海外大学院に行かせてもらい、早い時期に管理職にもなって、順調に会社生活を送っているような気がしてましたが、40代後半から疑問を感じるようになりました。役職について部下が増えると、自分で仕事をこなす能力は必須ではありません。逆に、大きな組織の中で昇進していくためには、他人の間違っている所を指摘したり、チームを守るためには論理的に正しくないことを大きな声で主張したりすることも求められます。(あなたの職場にも他人を攻撃することで自分を守る人や、間違っていることをいかにも正しいことのように大きな声で言う人が上司にいませんか?)
また業務では「なぜなぜ分析」や「見える化」する能力も重要です。私は「東大卒の仕事が早い新人」でしたが、単に処理能力が高いだけで、リーダーとして必要な能力は持っていなかったのです。「サラリーマンなら自分の性格とは関係なく仕事をするのは当然だ」と言われるかもしれませんが、会社の中の色々な事が見えるような年代になり、もうガムシャラに走るのは苦しいのです。
間接的理由2(Bucket Listから遡る人生設計)
もう1つの理由は、50歳を過ぎて親しい同級生が立て続けに急逝したことです。高校のクラスメイトで一緒に卒業旅行にいった友人、大学のクラスメイトで米国大学院時代を一緒に過ごした友人。。。
私もいつ人生が終わるか分からないと思うようになりました。このままサラリーマンとして大半の時間を会社に捧げたままで人生終わって良い訳がありません。もちろん仕事が充実していて、会社に人生を捧げるという方もおられると思いますが、私はそうではありませんでした。
人生で悔いが残らないように、死ぬまでにやりたい事リスト”Bucket List“を作り始めました。それぞれ必要な時間・費用、達成期限も書いていきますが、例えば65歳まで働いてからでは遅すぎるものもあります。また、色々なことへのモチベーションが今後落ちている中、10年以上先になると現在やりたい事が薄れてきてしまう懸念もあります。今後も働いて得られるお金と早期退職で得られる時間、どちらを選択するか?これは人それぞれだと思いますが、私は時間を選択しました。(もちろん、Bucket Listを達成する資金の目途はつけた上で)
Bucket Listについては、また別ブログで。
個人的な話が長くなりましたが、お読み頂きありがとうございます。